アンティーク腕時計専門店|アドヴィンテージ - advintage -





Variation in center seconds.
2018.04.28 Saturday | category: Theme

1940年代は、秒針をセンターに置くスタイルはまだ新しい技術でした。

数百年も前から変わらないスモールセコンドに慣れた人にとって、秒針の視認に戸惑うこともあったかもしれません。だからこそ、当時のセンターセコンドウォッチのデザイナーは、秒針に個性を、存在感を持たせるためのアイディアを出し合いました。

その多くはレッドアローをつけたり、テールを伸ばしたりして差別化を図るのが一般的でしたが、中にはこの"TREBEX”のようなユニークなものも。
 

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お尻側にポインターテールが伸びる、初期のクロノグラフが持つ秒針のディテールをそのまま踏襲した1940年代の腕時計。この形が当時最もポピュラーなスタイルと言えます。

 

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そこに遊び心を加えたのが右のCYMA。異常にテールが長いしポインターはゴールド。視認性はもとより、秒針が生き物のように脈動する様にフォーカスしたデザイナーの意図が汲み取れます。
 

 


1960年代になると、スモールセコンドよりもセンターセコンドが一般的に。モダニズムの隆盛も相まって、徐々に視認性や機能性とは異なる、スタイリッシュなデザイン性を帯びたものが増えて行きます。

 

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中でも英国時計の雄〈スミス〉の一部のモデルに見られる秒針は、一際強い個性を見出せます。特に目を奪わせるのが菱形のモチーフに赤い皮膜を配した秒針で、光が透けることで文字盤にうっすらと紅を浮かべる奥ゆかしいギミック。

戦後生まれたスミスの腕時計は、その他のセンターセコンドモデルもモダンな雰囲気が目立ちます。平和な時代が生んだ自由なデザイン。機能美溢れるクラシカルなものとは別の、モダンデザインの美しさを堪能できるのもまた、このジャンルの楽しみです。

 

 

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Center second watches, to perform the mission.
2018.04.16 Monday | category: Theme

センターセコンドの腕時計に透けて見える、クロノグラフのDNA。

アンティーク 腕時計

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クロノグラフの大きな特徴として、複数のサブダイヤルと針をひとつの文字盤に搭載していることが挙げられますが、その中央に備えられた「クロノグラフ針」と呼ばれる秒針もユニークです。

その針は何よりもまず「計器」であるクロノグラフの特性上、最も大振りで目立つ存在。延長されたテールは、末尾にポインターを持っており、中には針の先端に赤い矢のようなモチーフを備えているものも。この針を視認することがクロノグラフを操る上での第一要件だということを、象徴的に物語っています。

翻ってセンターセコンドの三針時計の使用環境を見てみると、戦争を経てスポーツや冒険に至るまで、単に日々の時を知るだけではなく集団行動や測定といった秒単位での時の利用を目的としています。それらはクロノグラフ同様、「ミッションウォッチ」と呼ばれるジャンルと言って良いかもしれません。

もちろん現行の一般的な腕時計は、当たり前のようにその秒針は時分針と同じ位置にあります。しかし、その本来の使用目的としてのデザイン性は薄れています。


そんなわけで、ヴィンテージウォッチのセンターセコンドは現行品とは全く異なる目線で見てあげるべきだと、個人的に思うのです。


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Monthly Theme: "Center Second"
2018.04.10 Tuesday | category: Theme

このJOURNALでも何度か特集してきたセンターセコンドの腕時計。

懐中時計から腕時計への変化は、スモールセコンドの秒視認性の問題を生み、そこからセンターセコンドへの仕様変更の潮流が生まれます。

「視認性」という目的意識に特化したデザインは、クラシカルなスモールセコンドとは明らかに異なるシンプルで洗練された表情。機能性重視というコンセプトは文字盤のみならずケース構造やムーブメントにも波及し、スポーツ・エクスペディションといったタフな使用環境への適応を見せます。

ドレスウォッチに対して、独自の路線を開拓したスモールセコンドの腕時計が今月のテーマ。
 

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"Unique Cases".....Design & Structure
2018.03.23 Friday | category: Theme

腕時計は、真正面よりも横から見られることの方が意外と多い。だから僕個人的には横顔が素敵な腕時計に惹かれてしまいます。
 

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シリンダーケース、ステップドベゼル、フラットベゼル。いろいろな特殊デザインが交差する対の腕時計ですが、正面と横とでは趣の異なる表情をするのが特に好き。


腕時計の角形デザインのひとつ、トノーケースもまた格別。

 

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こちらは両者とも”LL”の刻印を持つ謎のケースメーカーが手掛けた、全く同じケースデザインを持つ対の腕時計。

樽形を意味するトノーシェイプのケースと言えば、文字盤も同様の角形フォルムを持つものが圧倒的に多く、特に角形時計が愛されたアメリカ市場でそれが顕著です。こちらのようなトノーケースにラウンド形の文字盤というスタイルはそれほど多くなく、1930年代にロレックスやオメガといった高級ブランドが一部採用していました。

”LL”ケースのスクリューバックは、一般的なミドルケースにネジ山を切る方法ではなく、ムーブメントに纏わせた中胴にネジ山を刻み、スクリューバックでねじ込む構造になっています。以前こちらのJOURNALの記事でご紹介した、初期のロレックス・オイスターが採用した防水構造に近いものになっているのが特徴であり、ユニークです。

 

 

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何よりも感じたいのは、このユニークなケースを持つ個体が対で揃うことの意味。

 

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初期のユニークな防水ケースと言えば、ロレックスのオイスターケースともうひとつ、〈フランソワ・ボーゲル〉のハーマティック・ケースが挙げられます。

 

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三本のボーゲル・ケース。左から右に、1940年代→1930年代→1920年代と古くなります。

一番左が一般的なスクリューバック式ですが、それ以前は中央のようにコインエッジを持つベゼルが蓋の役割を持ち、文字盤側からムーブメントにアクセスする構造によって、腕に密着する裏蓋側からの水分の浸入を極力防ぐ方法がとられました。

そしてさらにさかのぼると、本体を丸ごとアウターケースの内側に収め込み、ねじ込み式のベゼルで封をするという、一番左のような大胆すぎる腕時計も考案されていました。

 

 

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いずれもケースは銀無垢製で、本体ケースがアウターケースとヒンジで連結される構造。J.W.ベンソン(右側)の方はコインエッジベゼルを開封した後、スナップインベゼルをコジアケで外し、さらにリューズの上に配されたカンヌキのような棒を取り外してようやく本体を持ち上げるという、極めて手の込んだ(面倒な)設計。

 

 

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初期の防水ケースは、工作技術が一様でなかった当時、様々なメーカーが趣向を凝らして防水構造を構築していましたが、特にフランソワ・ボーゲル社はアヴァンギャルドとも形容できる個性を放っています。

 

外観のデザイン性のみならず、こうした構造的なユニークネスにも注目していきます。



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Monthly Theme: Unique Cases
2018.03.13 Tuesday | category: Theme

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既に一週過ぎてしまいましたが、今月のテーマは「ユニークケース」。

何が優れている腕時計が最も好きかと問われると、迷わずケースデザインと答えます。 文字盤のデザインも重要ですが、一風変わったケースデザインの腕時計は、飽きが来ません。人と被りにくくなるという点も大きい。


そもそも時計のケースデザインのバリエーションは、1910年代以降、懐中時計から腕時計へとスタンダードが移り変わって行く過程で生まれました。

元来懐中時計とは呼んで字のごとく、ポケット(懐)から出し入れする使用方法が前提となるため、必然的に余計な突起のない円形のケースが主流となりました。しかし腕時計の着用方法であれば、それほどデザインが使用感を邪魔しない。デザイン的に「遊べる」範囲が広がったことで、アール・デコの時代は多角形のケースが数多く生まれましたし、あるいはベルトを取付けるラグ部分にデザイン性のバリエーションが花開きました。

ユニークでデコラティブなケースデザインは、現行品にはあまり見られないヴィンテージウォッチ特有の現象。一度このテイストを知ってしまうと抜け出せない魔力があります。僕もそんな魔力に魅せられた一人。

是非店頭で見て、触れて、感じてみて下さい。

 

 

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