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Watchcase makers: Francois Borgel (FB)
2019.01.20 Sunday | category: Theme

防水ウォッチケースといえば、ロレックスのオイスターケースが思い浮かぶ方も多いと思いますが、それ以前、19世紀末から様々な防水構造を持つケースを発明・製造していたのが、〈フランソワ・ボーゲル〉です。

1920年代からタウベルト社(Taubert & Fils)に吸収された、一般的にはそれほど知名度の高くないサプライヤーの一つですが、モバードやミドーなど様々な腕時計がこぞってそのケースを採用し、雲上ブランドのパテック・フィリップすらそのファミリーに入るという信頼の高品質を誇る、知る人ぞ知る名門。そのケースデザインも多彩で、「こんなものも?」というレベルで豊富なバリエーションを見ることができます。


 


ウォッチケースメーカーに焦点を当てている今月の渋谷店では、このボーゲルケースのバリエーションが多く揃っています。画像はその一部ですが、こうしてずらりと眺めてみると新鮮。

 

 

 

 

 


ボーゲルケースの代表格が、モバードとウエストエンド・ウォッチカンパニー、そしてミドー。モバードで特に有名なのが、右のようなユニークかつ力強いラグデザインが特徴の、「アクヴァティック」と称されるスポーツモデル。左のウエストエンドはミドーが製造を手がけた「マルチフォート」で、バンパー式自動巻ムーブメントを搭載した珍しいモデルです。

 

 

 

 

 


モバードのカレンダーウォッチと、ブラヴィントンズ。いずれも通常よりやや大振りなラージサイズのボーゲルケース。小振りなサイズが目立つ中で移植の存在感。

 

 

 

 

 


こちらは〈ミドー〉の英国陸軍"ATP"モデル。民生用ながら高い防水性と視認性、耐衝撃性を備えるミドーの腕時計が、その性能を買われ軍用時計として英国陸軍にそのまま応急的に納入された珍しい個体です。ボーゲルケースの高い信頼性は、英国軍にも波及していました。

裏蓋にお決まりのATP(Army Trade Pattern)とブロードアロー、そしてブローカーとなった英国の宝石商〈ブラヴィントンズ〉のネームが刻印されていますが、本来商品として販売する個体だったため、英国軍への納品前に手彫りで後から彫られているのが特徴。

 

 

 

 

 

 


この10角形の裏蓋にピンときたら、ボーゲルケース。是非渋谷店でその魅力に触れてみてください。



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"The greatest little known" watch case makers.
2019.01.03 Thursday | category: Theme

悩みに悩んだ年明け一発目のテーマ。


毎年この時期はいつも原点を思い起こしながら、どんなテーマだとadvintageの腕時計の魅力を表現できるか、モヤモヤとそのシルエットを頭の中で描いては消しを繰り返すのですが、今年は本当に時間がかかりました。そしてふと、普段お客様との会話でしばしば出てくるのがウォッチケースの話題だったことを思い返しました。

腕時計はムーブメントのみならず、文字盤や針、ケースといった外装を構成する要素もまた、さまざまなサプライヤーが絡んでいます。中でもウォッチケースにおいては、自社が手掛けた製品をあえて区別するかのように、自社のロゴをケースに刻印するメーカーが当時いくつか存在していました。

スイスの〈フランソワ・ボーゲル〉、アメリカの〈スター・ウォッチケース・カンパニー〉、そして英国の〈デニソン・ウォッチケース・カンパニー〉。彼らは腕時計が急激にその着用環境を広げた20世紀前半、革新的な防水設計や美しい外観を持つケースデザインを数多く生み出したことで知られています。おそらく数多く時計を見ている人なら、その美しい佇まいや質感の違いは見た目で判別がつくと思います。それくらい素晴らしいものです。

今では存在していない、もしくはほとんど知られていないアノニマスメーカーが、パテック・フィリップやロレックスにも供給していたメーカーのウォッチケースを使う。このようなことが当時しばしばあったということは、ヴィンテージウォッチの奥深い価値を示唆する事例として注目に値します。

新年早々マニアックなテーマではありますが、ウォッチケースは腕時計の魅力や価値を左右する重要なファクターです。今回は代表的なメーカーにフォーカスしますが、そのリッチなデザイン性、クオリティの高さにタッチしていただければ。

本年初回の渋谷店営業日は1/8になりますので、ご都合が合えば是非。


 

 


それでは新年あけましておめでとうございます。心躍るような、そしてまだ見ぬヴィンテージウォッチを、今年もひとつひとう地道に丁寧にご紹介してまいります。



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A/W 2018 Newcomers...Pick Up.
2018.12.15 Saturday | category: Theme

今月の渋谷店では、今年下半期に直近まで入荷した新顔たちが顔を揃えています。
中でも奇妙な存在感を感じる、「ありそうでない」連中にスポットを当てて。


ロングレクタンギュラー×ギルトダイヤル。どこまでも、我を通す。

 

 

 

 


グッドデザインの3本。凝ったラグデザイン、針やインデックスにも正統派プラスアルファの個性が。ブランドバリューで目隠しされた、何の変哲も無いブランドウォッチへのアンチテーゼ。

 

 

 



オクタゴナルケースへの憧憬。レクタングルとラウンドの中間でありながら、中途半端とは対極に位置するエッジィな存在感。

 

 




異形にして定番、ステップケース。

 


 

 


1940年代のヴィンテージウォッチは、そもそも35mm超のジャンボケース自体個性の塊。シリンダースタイルやマルチステップドベゼルという、ある種グロテスクな造形がその存在感を最も光らせる。

 


 

 


英国時計から、おなじみスミスとベンソン。いずれもラグデザインがユニーク。左の〈スミス〉は長らく探し求めてようやく出会えた、カッパーピンク×ホワイトのツートーンダイヤルを持つ、最初期のレアピース。まさに異色、でもどこか懐かしい。

 


 

 


手巻き機能を敢えて無くし、内蔵するローターの回転のみでゼンマイの巻き上げ動力を確保したモデル、その名も「ネバーワインド」。リューズの操作頻度が低ければ、その分故障リスクは下がる。ステップドベゼル、ギルトダイヤル、クラムシェルケース云々が揃ったいわゆる役物ですが、このチャレンジングな腕時計をあの時代に実現しようとした開発者のスピリットに思いを馳せたい。

 


 

 


CIRCA1970。ダサいかクールか、そのスリリングな綱渡りが楽しいニュー・クール。ファッションでいうダッズスニーカーみたいな、ノームコアをクリアした新しい価値。もちろん容易には出てこない。

 


 

 


あえてクロノグラフのような突き出たカレンダー送りのプッシャー。見た目は真面目、でもどこか突き抜けていたい。ユースフルマインドなトリプルカレンダー。

 



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A/W 2018 Newcomers.
2018.12.02 Sunday | category: Theme

早いもので、もう師走。

諸事情で今年後半のヨーロッパ出張ができなかったのですが、現地のディーラーから随時ヴィンテージウォッチは入荷しています。そこで今月の渋谷店は、今年下半期から直近までに入荷した新顔たちを主役にしたいと思います。

直接買い付けに行くことはできませんでしたが、総じてクオリティの高い良質なアイテムの買い付けに成功しています。結構数も揃えることができました。正直ちょっと複雑(笑)
 

 


自慢のスミス以外にも、個人的にはかなり満足できるadvintageらしい構成ができたと思います。
12月も毎週火曜日は休まず営業予定ですので、ご都合が合えば是非。



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SMITHS collection; OEM Products for english jewelers.
2018.11.27 Tuesday | category: Theme

スミスは自社ブランドだけでなく、当時英国に存在した様々な小売店・宝飾品店向けにOEMを行っており、他社名義でのスミス製腕時計もまた傑作が揃います。

 

 


スミスが腕時計を手掛けたことで有名な〈ガラード〉。英国王室の王冠を手掛けた、「クラウンジュエラー」と称される老舗宝飾品店です。

内側の2点がガラードで、いずれもやはりスミスの名機「デラックス」の代表的な文字盤デザインを踏襲しています。特に右はデニソン社の金無垢ケースの中でも最高級とされる「アクアタイト」の防水ケースを採用したスペシャルイシュー。ムーブメントもスミス製ですが、特にガラードの場合通常15石の受け石を18石に増設されたハイエンドモデルを搭載しています。

スミスの腕時計と同様の文字盤デザインが採用されているのも、こうしたスミス製別注モデルの特徴。当時英国ジュエラーに様々な時計メーカーが流行りのデザインを提案する中、スミスはたとえOEMだとしても、このように断固として自社ブランドのデザインを前面に出した時計づくりを行なっていました。

 

 

 

 



こちらの2点の腕時計は、いずれもスミスが手掛けたもの。ケース、文字盤ともにやはりその初期モデルのデザイン性が踏襲されており、当然ながらムーブメントもスミス製を搭載しています。

左は特に人気の高い〈J.W.ベンソン〉の別注。右は〈トーマス・ラッセル〉のそれで、いずれも懐中時計で知られた英国の時計メーカーでしたが、第二次世界大戦時に工場を破壊されたり、腕時計ムーブメント作りのノウハウがないこうした古いメーカーは、戦後生まれたスミスの純国産ムーブメントに大きな期待を寄せていたと思われます。



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