アンティーク腕時計専門店|アドヴィンテージ - advintage -



JOURNAL

|Search
11

Instagram

|New Entry

|Category

|Archives

Entry: <<  main  >>

HERMÈS meets Mido.
2019.03.10 Sunday | category: Theme

1937年のこの雑誌広告。あのエルメスが、〈ミドー〉のマルチフォートとのダブルネームモデルを販売していたことを示す貴重な資料です。

1937年といえば、アール・デコのデザイン潮流の成熟期。その広告デザインにも直線的、幾何学的な様式が凝縮されています。
 

 

 


ローマ数字が並ぶ全体像は時計の文字盤を模しており、エルメスの頭文字”H”のシルエットの内側には、アール・デコ期の広告に好んで用いられたサンバーストと呼ばれる放射状のライン。細かい文字の羅列によって外周にトーンを落とす憎い演出も見逃せません。 ちなみにこの文字の羅列は、 ”LA MONTRE POUR TOUS LES SPORTS LE SKI L'ÉQUITATION LE GOLF LE TENNIS LE YATCHING”(THE WATCH FOR ALL SPORTS SKI HORSE RIDING GOLF TENNIS YATCHING) と、 “MIDO MULTIFORT” と書かれています。

 

 



アール・デコは、当時急速に発達した自動車や飛行機、スポーツの隆盛という時代背景がもたらしたデザインであったことは前回書きましたが、このミドーのマルチフォートもその潮流の中で生まれたスポーツウォッチの最先端のひとつでした。

一流のファッションブランドが、ドレスウォッチではなスポーツウォッチを売るということは、当時として考えてみると意外にも稀なケースかもしれません。1930年代に〈ミドー〉が放った、防水・耐磁・自動巻きの三拍子を揃えた当代きってのハイパフォーマンスモデル、「マルチフォート」。エルメスはこの腕時計に自社ロゴを入れたダブルネームモデルを別注し、それにエルメス製のレザーベルトを装着して販売していました。

 

 

 


当時の革新的な技術を詰め込んだ機能性とアール・デコの様式とが混ざり合い、独特の機能美を生んだこの腕時計が愛したエルメス。それを踏襲するかのように、近年スマートウォッチの雄、〈アップルウォッチ〉をショップで展開しました。エルメスの審美眼は、90年前と今と、全く色褪せていないようです。

当時エルメスがミドーに別注していたものと同型の腕時計が、現在数点ございます。是非お見逃しなく。



| advintage | 02:32 | - | - |

Return to Top