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Brand Story: File 2...J.W.BENSON
2014.09.24 Wednesday | category: Brand Story

ブランドの歴史背景をご紹介するシリーズ。
今回はスミスに続いて英国の高級時計ブランド、《J.W.ベンソン》です。

一般的には1847年にサミュエル・サックリーとジェームズ・ウィリアムのベンソン兄弟によってロンドンに設立された"Samuel Suckley & James William Benson"という金銀細工および時計工房がその始まりとされています。しかし実際には、このベンソン家自体が1749年以来の大変古い時計職人の一族でもありました。

サミュエルとジェームズのパートナーシップは1855年に終わり、その後ジェームズのみによる”J.W.ベンソン”をブランド名とし、彼の死後も息子達によって事業が引き継がれます。その過程の中で、一介の時計職人であったJ.W.ベンソンは数々の英国王室御用達(ロイヤルワラント)を獲得し、ヴィクトリア女王、プリンスオブウェールズそしてロシアのツァーリ(皇帝)らの時計師としての地位にまで上り詰めます。
 

 

 


こちらの広告に見られるように、この時代の紳士用時計の主流は懐中時計。当時の価格も見られます。1900年頃のロンドン庶民の年収が50ポンド前後、富裕層で350ポンド以上と言われていますが、やはり当時の時計は現代の高級時計と同等の価値があったようですね。

日本では白洲次郎や吉田茂といった歴史的な人物が、J.W.ベンソンの懐中時計を愛用していたことが知られています。ただ、実際には彼らが持っていたベンソンの懐中時計は、おそらくすでに年代物であったと思われます。というのも、第一次世界大戦中の1917年にドイツ軍によるロンドンの大規模爆撃で自社工場は壊滅的な打撃を受け、その製品の多くが失われるだけでなく、時計の製造も継続できなくなってしまったからです。

それでもJ.W.ベンソン社は時計の販売事業を継続します。そこで自社ブランドの時計製造を依頼されたのが、《ロンジン》や《ヴァーテックス(レヴュー)》、《シーマ/タヴァンヌ》といったスイスの名門時計メーカーであり、第二次世界大戦後はイギリスの《スミス》が主なOEM先となりました。

こちらは1930年代にシーマ社がOEM先として製造したJ.W.ベンソンの人気モデルの「トロピカル」。高温多湿で埃の多い悪条件下でも耐えうる性能を誇り、戦後にもスミスによってモデルチェンジが行われています。腕時計が「リストレット・ウォッチ(WRISTLET WATCHES)」と表記されているのも興味深い点。
 

 

 


こちらは金無垢ケース仕様のモデルで、他にも銀無垢やステンレススチールのモデルも存在。ポーセリンダイヤルは強い日差しによる文字盤の日焼けを防止する効果もありました。
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続いてこちらはスミス社がOEM製造したJ.W.ベンソンのトロピカル・モデル。【SOLD OUT】
☞商品ページ
 

 

 


J.W.ベンソン社の操業は1973年まで続き、その後は《ガラード》社によってブランドは引き継がれました。ガラードの歴史はベンソンやスミスよりもさらに古く、英国王室御用達もさることながら「クラウン・ジュエラー」としてヴィクトリア女王の王冠を納めた由緒ある宝飾品・時計販売店。

英国のブランドがそれぞれ密接な関係を持って歴史を編んでいる様子を見ると、その「英国ブランド」に徹底してこだわるひたむきさに感服せざるを得ません。そのあたりにこそ英国製品の魅力があるのでしょう。

 



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