アンティーク腕時計専門店|アドヴィンテージ - advintage -





Art of aging.
2018.10.01 Monday | category: Theme

秋の紅葉と並べて語られることも多い、時を経て色付いた深い文字盤。
この作為のない、時の流れと偶然が作り出す芸術的な文字盤の腕時計が今月のテーマ。

これはヴィンテージデニムやレザーのように、時の移ろいが生む日焼けという「劣化」に美を見出す日本人ならではの美意識が生んだ価値ですが、ただエイジングしていればいいってものじゃない。

当然ながら、美しくエイジングしているかどうかが最も重要。
 


保存状態、着用環境、etc…。ひとつひとつ腕時計が生きてきた時の流れはそれぞれ違って、その表情への表れ方は一人一人の人生のようにさまざま。マーブル柄に色付いた文字盤、あたかもインデックスが発光しているように変色した文字盤など、その美しいエイジングは奇跡的とも言えます。

 

 

 

 

 


長く店頭に置かれ、買い手を待ち続けていた腕時計。

あちこちにできた針の日焼け跡は、デッドストックのヴィンテージウォッチ特有の表現。この数が多いほど、止まるたびにゼンマイを巻かれ、それでもなお無数のウィンドウショッパー達を見送った不遇の時代を偲ばせます。


ちなみにヴィンテージデニムにはリアルなユーズド加工ができても、ヴィンテージウォッチにはできません。たまにエイジング加工されたものを見ますが、どこまでいってもわざとらしい。

本物のヴィンテージ文字盤のエイジングは唯一無二です。ぜひお店で直に味わってみてください。

 

 



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Autumn Gold.
2018.09.21 Friday | category: Theme

秋が深まりゆくにつれ、金の腕時計が恋しくなる季節。

 


ティソとロレックス。

共に〈デニソン・ウォッチケース・カンパニー〉が手掛ける英国製の金無垢ケースを採用した、特別な腕時計。 オールアラビアンインデックスとリーフ針の組み合わせが、凛々しくも優美な英国顔。


そして金無垢のドレスウォッチといえば、当然、スミスは外せない。

 



スミスは1953年のエベレスト人類初登頂の立役者として一躍有名になり、タフなエクスペディションウォッチをバンバン出すかと思いきや、あくまでそれはそれ。頑なに非防水のドレスウォッチのバリエーションを増やしてきました。

こちらは1952年にリリースした名機「デラックス」の中でも、最初期に僅かに生産された幻のモデル。いわゆるアーリーモデルに見られるプリミティブな文字盤デザインの中に、あの控えめな王冠マークと"DE LUXE"のロゴが。

 

 

 

 

新旧を比べてみても明らかにその中間に位置する、過渡期的デザインが放つ存在感の違いたるや。希少価値だけではない、スミスをスミスたらしめる世界観と魅力が凝縮されています。出会えてよかった。

 

 

 

 

 


複雑時計とゴールドケース。

エレガンスと機能美の融合は腕時計というプロダクトが持つ永遠のテーマですが、その最も純粋な魅力が味わえるジャンルだと思います。



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Brand Story: file 15..... CYMA & TAVANNES
2018.09.08 Saturday | category: Brand Story

今回のブランドヒストリーは、〈シーマ〉と〈タヴァンヌ〉。

シーマは聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、タヴァンヌは「?」という感じでしょうか。実は、両者はいわば兄弟姉妹のような間柄なのです。


シーマは1862年にスイスのル・ロックルで創業した、ジョセフとテオドールのシュウォッブ兄弟の時計工房を母体として始まった時計メーカー。実はシーマはいくつかの時計メーカーの集合体のひとつで、その中でも結びつきが強かったのが〈タバンヌ(TAVANNES)〉というもうひとつのメーカーでした。

この両者は各々独自の展開をしつつも、「タバンヌ・シーマ」あるいは「シーマ・タヴァンヌ」のブランド名等で時計をリリースしていたほか、互いに自社ムーブメントを共有することもしばしばありました。


 

 


現行品でもしばしば目にするシーマ。advintaeでもちょこちょこ登場するこのブランド、個人的に思い入れの強い存在で、スミス以外で偏愛的に仕入れているブランドのひとつです。

ヴィンテージ界隈でシーマといえば、俗に「ダーティダース」と呼ばれる英国陸軍モデルが有名。堅牢なステンレススチールのスクリューバックケースと質実剛健な手巻きムーブメントが特徴ですが、その信頼性の高い時計作りは民生用の腕時計にも活かされています。

 

 

 


こちらの対の腕時計は、当時シーマが防水性を売りにしてリリースした〈ウォータースポーツ(WATERSPORT)〉という1940年代のモデル。小振りで腕元の邪魔にならない機能性を重視したデザインを持ちながら、やはりヴィンテージならではのクラシックな魅力を十分に備えています。

一方で、クラシカルなモデルやクロノグラフなど、非常に多彩なラインナップを展開していた実力派の時計ブランドがシーマの第一印象。

 

 



質実剛健なシーマの腕時計に対して、タヴァンヌの特徴は何と言っても独自のウォータープルーフケースへの取り組み。現行品では当たり前となったスクリューバックケースが、まだ技術的にハイレベルであった当時、様々な工夫を凝らしたケースデザインを楽しめるのがタヴァンヌの魅力。

 

 

 


この広告の下から2番目にあるユニークなラグデザインを持つモデル。こちらもシーマと同じ「ウォータースポーツ(WATERSPORT)」のペットネームを持つ防水ケースが自慢ですが、その構造はスクリューバックではなく、4つのビスでベゼルと裏蓋を密閉するクラムシェルと呼ばれる特殊な構造を採用しています。

 

 

 


そのユニークなラグデザインを持つクラムシェルケースは、他のブランド名義でも用いられています。左は〈アドミラル〉名義ですが、やはり「ウォータースポーツ(WATERSPORT)」のモデル名が。右はタヴァンヌ名義で、最近「トレ・タケ」と呼ばれてトレンド入りしている三つ爪のスクリューバックケース。

 

 

 


あの〈J.W.ベンソン〉にも。個人的に最も好きなケースデザインです。

 

 

 


このようにシーマとタヴァンヌは自社以外のブランドやショップの腕時計を手掛けていることも多く、特にこの英国の宝飾店J.W.ベンソンとの関係が深いことで知られています。

下はベンソンの腕時計の中でも最も人気の高い、フランソワ・ボーゲル社が手掛けた防水構造を持つクッションケースにポーセリンダイヤル。懐中時計を思わせる腕時計ですが、熱帯地方のような高温多湿な環境でも着用できるという触れ込みで、当時「トロピカルウォッチ」とも呼ばれていました。

 

 

 


年代によってケースの構造がモデルチェンジされており、こちらは最も古いタイプ。アウターケースとインナーケースに分かれており、ねじ込み式のコインエッジベゼルがインナーケース内部ムーブメントを直接密閉する、手の込んだ作り。後期モデルになるとシンプルなスクリューバックに変更されるため、非常に貴重な個体です。


シーマ・タヴァンヌの面白さは、その百花繚乱とも言えるバリエーションにあります。特に自社以外の多くの時計ブランドに対して行っていたOEMでもまた、シーマ独自のデザイン性を持つ腕時計が生まれているのです。



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