アンティーク腕時計専門店|アドヴィンテージ - advintage -





New Faces from England....."Complication & Simplicity"
2016.11.28 Monday | category: Items

複雑さの中にシンプリシティを同居させるということ。
それは視認性を成立させるためのデザイナーの努力のたまもの。

複雑であることもシンプルであることも、どちらにも格別の魅力がありますが、それらを見事に両立させているのが今回の2本です。

 

まずは1940年代に《モバード》が生んだ、記念碑的なカレンダーウォッチ「カレンドマティック」。
 

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月と曜日を小窓で表示し、ダイヤル外周の日付をポインターで指し示す、トリプルカレンダーと呼ばれる複数のカレンダー機能を備えた複雑時計。さらに当時自動巻きのカレンダーウォッチとしては世界初の、バンパー式自動巻き機構を装備している変わり種。

さらにこのモデルが他のカレンダーウォッチよりも頭ひとつ抜けた存在であったのは、デイトポインターが月末(31日)から翌月(1日)に移行する際、マンスリー表示も連動して自動で送る機能も世界で初めて搭載したことでした。それまでマンスリー表示は手動で送る必要がありましたが、世界に先駆けてモバードがマンスリー自動送り機能を開発に成功しました。さすがはムーブメントのデパート、と言ったところ。

さらに、ステンレススチールケースの文字盤側の表面に金のぶ厚い層を載せた、ゴールドトップと呼ばれるユニークなケース仕様も大きな特徴。いま商品化するとコストがとんでもない額になるでしょうね。ゴールドプレートのリューズ、早送り用プッシャーに至るまで、すべてがフルオリジナル。

 


もう一本は、高級機種バルジュー23を搭載した《アルピナ》のクロノグラフ。

 

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横溢する数字の複雑さを感じさせないハンサムな文字盤。その源はミニッツインデックスに配されたグレーの配色にあり、文字盤上の機能を内側と外側にはっきりと分けることで、高い視認性を実現しています。

アラビア全数字インデックスを内側に置くことで、全体的にきゅっと詰まった凝縮感を生む一方、外周いっぱいに青字で描かれたタキメーターはレイルウェイ・インデックスを採用。タキメーターの数値が下るにつれて間隔が大きくなる独特のデザインは、パルスメーター以外で使われているのは初めて見ました。

ケースもちょっと珍しい形。丸みを帯びたボリューミーなボディに、薄いステップドベゼル。繊細、剛胆という両極端なイメージが同時に飛び込んできます。
 


三針に比べると、複雑時計は当然ながら多くの情報量を文字盤に搭載しています。使う人のことを思い、細部にまで行き届いた配慮と工夫により、こうした情報が破綻なく活用できて、美しい。ある意味奇跡的なことじゃないかとさえ感じます。

 

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ひとまずここで英国買付け商品のご紹介はおわり。

他にも個性的なアイテムが手に入っていますので、お店の方で是非。

今日の渋谷店はめずらしく晴天が持ちそうです。



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New Faces from England....."Paired watches"
2016.11.21 Monday | category: Items

ペアウォッチというとなんとなくベタな響きがありますが、サイズ違いで似通ったデザインのアンティークウォッチを対で揃えるというのは、狙って入手できるものではありません。

それはまさに運命的な出会いでもあります。


デザイン性で共通項の多い、《チュードル》による対の腕時計。
 

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いずれも1950年代初頭の盾バラ、オイスターケース、センターセコンド。大きな違いはやはりケースサイズで、左のラージサイズはこの時期の腕時計としては異色の存在。いずれも夜光が用いられたミリタリーテイストに、英国市場を意識した生真面目なルックスの優等生兄弟(姉妹)。

ド田舎まで行って現地の宝飾品店を訪ね、何十本か見せてもらったけど惹かれるものはゼロ。がっくりしていたところに店長が奥から引っ張り出してくれたのが、このラージサイズのチュードルでした。迷わず手に取ったのはその希少性だけでなく、別の日にロンドンで手に入れていた右のミッドサイズの存在があったから。

 



次もデザイン性の近い、《オメガ》と《モバード》。

 

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ホーンラグ、ブラックダイヤル、黒文字盤。とてもよく似ているけど、先程のチュードルのように瓜二つとは言えない。ちょっとずつ異なるディテールのズレ。

実はこのケースサイズとラグデザインとの関係性が重要で、もしこのラグデザインだけ交換するとバランスが崩れてしまう。オメガの小振りなサイズだからこそ、このラグデザインが似合う。モバードもまた然り。

似ているようで、実はひとつひとつのデザインが予定調和であることを教えてくれる、全く異なる対の腕時計。
 

 


最後に《J.W.ベンソン》。年代の違う、対の腕時計。

 

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右が1960年代、左が1950年代。人間でいうと、ひと回りくらい年の差がある間柄。「干支一緒じゃん!」なんて言い合ってる感じでしょうか。

文字盤デザインはほぼ同じ。違うのは、各々の時代に流行した、スタイル。 どちらも古くて新しい。



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New Faces from England....."Cool Dirty"
2016.11.17 Thursday | category: Items

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ミリタリーウォッチも新たに何点か入手しました。
ブリティッシュアーミーの人気は日本も現地も相変わらず。現地の相場は去年と比べて倍というのもザラ。高騰が続いています。 ダーティ・ダースはもう、話にならないことも多い。もはや日本で買ったほうが安いんじゃないかとすら思います。

個人的には、ミリタリーウォッチでも変化球的なものに惹かれつつあります。
最近ちょっとずつ知名度が上がってきているA.T.P.モデルもそのひとつ。

 

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SSケースモデルのソリッドな風合いもいいですが、このモデルの醍醐味はむしろ部分的に真鍮の下地が露出しているくらいがちょうどいい。特にこの《ティモール》製のマルチステップドベゼルの重厚感は唯一無二。

 


ミリタリーに強いディーラーから勧められたこちら。ドイツ陸軍に支給された一群の”DH"シリーズ。基本的にやや小振りなものが多い一方、《レコード・ウォッチ・カンパニー》製はブリティッシュアーミーに匹敵するラージサイズ。独特の時分針の形状や、ちょいダーティな雰囲気もまた一興。

 

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今まではクロームプレートというとメッキの摩耗や傷が目につくのが嫌で敬遠していたのですが、今になって見てみると第二次大戦をくぐり抜けた証と言うか、貫禄が出てきたと言うか、良い印象を受けました。当然ながらフルミントなコンディションが価値はある。でも本物のミリタリーウォッチの雰囲気を楽しむには、むしろこのくらいの方がいいんじゃないか、と。

 


次に戦後に支給されたシリーズもいくつか。
まずはこちらのハミルトン。裏蓋の”TROPICALIZED”の刻印が示すように、熱帯性気候など湿度の高い使用環境を考慮し気密性に優れたタフな一本。

 

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G.S.の意味するところは、”General Service”。つまり非軍事要員向けに支給された腕時計です。彼らは政府職員として主にイギリス国外駐留地における治安維持やインフラ開発、現地政府の補助支援等に従事していました。またそのスペックの高さから、アブダビ国防軍やケニア軍に支給されたバリエーションも存在しています。

 


そして現在非常に高い人気を誇る、スミスのブロードアロー。 主に陸軍に支給されていた同モデルですが、こちらは空軍(RAF=ロイヤルエアフォース)に支給された極めて稀少な個体。裏蓋の”6B”の刻印がそれを示しています。

 

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ミリタリーウォッチは非常に奥が深く、何を基準に選ぶべきかは人それぞれ。個体の稀少価値やブランドもそのひとつではありますが、それ以上に軍用時計は実用時計でもあります。ブランドとか背景とか関係無く、着けてかっこいいかどうかという目線も大事にしたいところです。

 

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New Faces from England....."SMITHS, dresses you."
2016.11.13 Sunday | category: Items

主力の《スミス》も、各種バリエーション含めコンディションの良いものが多く手に入りました。

特にドレスウォッチが充実しています。
 

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目立つキズのないノンポリッシュの9K金無垢ケース、日焼けや汚れなどが見られない綺麗な文字盤。ここまでコンディションの良いスミスが手に入ることも珍しくなってきました。

スミスの腕時計の多くはスナップバックケース。素材が金無垢となれば、非防水ケース特有のシャープなシルエットと相俟って、とってもドレッシー。スーツやガウンなど、高級感をそそるスタイルはもちろんですが、スミスならではのクラシックで可愛らしいルックスは普段使いにもおすすめ。特に肌寒くなってくると、ドレスウォッチを日常に取り入れやすい季節なので、是非。

 


そして今回の収穫の私的ハイライトがこちら。

 

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スミスの腕時計を装備して挑んだ、エドモンド・ヒラリー卿のエベレスト世界初登頂を記念し、当時のフラッグシップモデルとして発表されたのが、この「エヴェレスト」。ただ、こちらの腕時計はひと味違います。

 

 

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そう、18金の金無垢ケース。

「別にそこまで・・・」と思う方々もいらっしゃるかと思います。確かに英国市場以外では多くの高級腕時計に使用されている18金ではありますが、ホールマークが示すようにこれが英国の金製品であることを考慮すると話は別。しかもスミスの腕時計で。

英国金製品で9金が多いのは諸説ありますが、当時存在した物品税における課税制限が9金までだったというのも理由のひとつ。つまり9金を越える純度の金製品は当時高額な課税を免れず、結果極めて少量しか流通しなかったはずです。


正直、これを見たときは鳥肌が立ちました。これだけスミスを取り揃えていても、僕自身その存在は知らず、今回初めてお目にかかりました。というか英国の18金ホールマーク自体、実物を見たのは初めて。9金に比べ、ずっしりとした重要感。

 

 

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スミスの腕時計はadvintageの看板アイテムでもあり、できるだけコンディションの良い個体をバリエーション豊富に取り揃えておきたいのですが、近年定番的な人気モデルとなってきたためか、納得いくものがなかなか手に入らない状況が続いています。その中でグッドコンディションの3点が今回手に入ったのは、個人的に嬉しかったことでもありました。

 

今回買い付けたスミスは他にもあります。そちらはまた追って。



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New Faces vol.2....."This is Handsome"
2016.05.19 Thursday | category: Items

男らしい腕時計、フェミニンな腕時計、可愛い腕時計。いろんな顔立ちの腕時計がありますが、アンティークで選ぶなら、「ハンサムな腕時計」がおすすめ。

今回はそんな視点から選んだ、新入荷商品ご紹介の続きです。
 
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《ロンジン》が手掛けたパイロットウォッチの名作「ウィームス」。今回の買い付けで運命的なものを感じた、思い入れのある一本。あくまで個人的な話ですが。


 
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左から《ティソ》の9KYGケース、《リップ》によるT18搭載のレクタングル、そして《マーク・ファーブル》の同じく9KYGケース。ラウンド形、角形とジャンルは異なるものの、いずれも正統派の甘いマスクが特徴。

これらの腕時計は、ただ見た目が良いだけじゃない。デザイン性とともに素材やムーブメントのクオリティも高く、文字通り質実剛健な腕時計と言っていい。そしてまた、ただイケメンなだけじゃない。そこにはヴィンテージ・ジーンズのインディゴのような、半世紀を経て渋みを増した味わい深さもあります。
 
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これらのハンサムな腕時計には、共通項がいくつかあります。

鉄板はやはりアラビア全数字のインデックス。それも、ややゴシック系のスタイル。夜光は控えめな方がいい。
時分針はブルースチールかリーフ形。レイルウェイ・インデックスがあればクラシックでなおよし。
サイズはあまり大きすぎず小さすぎず、29mm〜32mmがちょうどいい。

 
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さらに今回の金無垢2つは、いずれも英国の《デニソン》社が手掛けた、いわゆる「デニソンケース」を採用しています。

デニソンケースについてはこのブログでも何度かご紹介していますが、肉厚なボディと精度の高いカッティング技術もさることながら、素材自体の品質が高い。特に酸化して変色することの多い金無垢ですが、デニソン社のものはそうした変色が比較的少ないのも特徴です。ロレックスが採用するのも頷けます。



最後にとっておきを2つ。
 
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《スミス》と《マッピン》の金無垢時計。この2本についてはいずれまたご紹介します。


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